
「繁殖引退犬はどこで出会えるの?」「保健所とかで引き取れるの?」

そんな疑問を持つこともあると思います。
この記事では、保健所・保護施設から迎える方法をわかりやすく解説し、私の体験談も交えてお伝えします。
この記事でわかること
なぜ繁殖引退犬が保健所・保護施設にいるのか?

保健所や保護施設で「繁殖引退犬」と出会う機会が増えてきました。
その背景には、2019年の動物愛護管理法の改正によって、ブリーダーに対する規制が強化されたことがあります。
具体的には、以下のような理由が挙げられます。
数値基準の導入で、適正な飼育環境が義務化された
2019年の法改正により、ブリーダーはより厳密な飼育環境の基準を守る必要が生まれました。
職員1人あたりの管理上限: 繁殖犬は最大15頭まで
メス犬の繁殖制限: 出産は6歳まで、生涯で6回までに制限
これにより、基準を超える頭数の犬を抱えていたブリーダーが対応に追われた。
基準を守れないブリーダーが犬を手放すケースが増加
新しい基準に適応できないブリーダーが、犬を手放さざるを得ない状況になった。
頭数オーバーで許可が取り消される
飼育環境の改善ができず行政から指導を受ける
高齢犬や病気の犬が増え、管理が負担になる
結果として、多くの繁殖引退犬が保護施設に引き取られるようになっています。
悪質な繁殖業者の摘発が進んだ
法改正に伴い、悪質な繁殖業者に対する取り締まりも強化されています。
環境省が行った調査では、全国約1,400の犬猫繁殖業者のうち
約半数(700業者)で法令違反が確認されました。
こうした摘発の結果、行き場を失った犬たちが保護施設に送られるケースもあります。
ブリーダーの高齢化や後継者不足による廃業も影響
個人経営の小規模ブリーダーでは、高齢化により体力的な限界を感じたり、後継者が見つからずに廃業を選ぶケースも少なくありません。
年齢による継続困難
後継者不在による廃業
例えば、愛知県岡崎市の猫ブリーダーが廃業した際には、多くの動物が行き場を失う事態となりました。

保健所や保護施設で繁殖引退犬と出会う方法

人気犬種などは、頭数が多いため繁殖引退犬の数が多いと思われます。
その点、特殊犬種や、希少犬種などは出会える確率が低いと思われます。
しかし繁殖引退犬は、個別のニーズに応じた譲渡を行っている施設も多いので、あきらめずに情報を収集することが重要です。
【2025年の犬種人気ランキング】
1位:MIX犬(体重10kg未満)
2位:トイ・プードル
3位:チワワ
4位:柴(豆柴含む)
5位:ミニチュア・ダックスフンド

愛護センターの繁殖引退犬のもらい方は?

動物愛護センターとは、各都道府県の保健所が管理する動物保護施設です。
ここでは、保護された動物(繁殖引退犬も含む)の健康管理、しつけ、譲渡活動が行われています。
動物愛護法に基づき、センターは虐待や遺棄された動物を保護しています。
新たな飼い主への譲渡を行うことで、動物の命を守る重要な役割を果たしています。
保健所から繁殖引退犬を引取る方法
保健所が管轄する動物愛護センターから引き取る手順は以下の通りです。
- STEP1受付
まず、センターに訪問し、受付を行います。必要な書類や手続きについて案内を受けます。
- STEP2講習を受講
譲渡を希望する場合、動物の飼育に関する基本的な講習を受ける必要があります。
- STEP3マッチング
センターが提供する譲渡可能な動物のリストを確認し、自分に合った犬を選びます。
- STEP4譲渡決定
家庭訪問や飼育環境の確認が行われ、その後正式に譲渡が決まります。
登録団体から引取する方法

ボランティアの登録団体から直接引き取る場合、一般的には以下のような手順になります。タイムライン
- STEP1Webサイトなどで里親募集案内を確認イトル
団体のウェブサイトやSNSで里親募集情報を確認します。
- STEP2お気に入りの子を見つける
自分の生活スタイルに合う犬を見つけ、興味を持ちます。
- STEP3応募
募集要項に従って応募し、必要な情報を提供します。
- STEP4トライアル
実際に犬と生活してみて、問題がないか確認します。
- STEP5譲渡決定
トライアル期間を経て問題がなければ、正式に譲渡が決まります。
※譲渡条件は自治体によって異なります。詳しくはお住まいの地域の動物愛護センターのWebサイトをご確認ください。
里親になるれる条件
東京都動物愛護センターの犬を迎える条件を以下に記します。
都内にお住まいの20歳以上60歳以下の方リストかな
動物愛護センターの譲渡条件が厳しい
先日、Yahoo!知恵袋でこんな質問を見かけました。

「保護犬を迎えたいけど、譲渡条件が厳しい…。
お宅訪問の際にどんな準備が必要ですか?」

質問者さんは、まだ犬を迎えていない段階で「柵やケージはもう設置しておいた方がいいのか?」と悩まれていました。
【私の答え】保護犬や犬を飼うときに大事なのは、「犬が落ち着ける空間」を用意してあげること。
それは柵やケージ、トイレの位置、お水の置き場所など、犬の生活をイメージして準備することから始まります。
仮に譲渡が成立しなかったとしても、その準備が「無駄になる」ことはありません。
むしろ、自分の覚悟や生活スタイルと向き合う良い機会にもなりそうです。
愛護団体が犬の譲渡条件を厳しい訳
犬の福祉を守るためや、譲渡後の生活が安全で安定したものになるようにするためです。
過去の問題を防ぎ、長期的に犬が幸せに過ごせる環境を確保することが目的です。
迎える前に準備しておきたいこと

心の準備
焦らす、ゆっくり慣れる姿勢を
繁殖引退犬は「異世界」に来た状態です。
環境に慣れるには時間がかかります。
本人から歩み寄ってくるまで待ちましょう。
家族全員でい受け入れる心構えを
道具の準備(最低限必要な物)
誤飲防止
危険な場所の封鎖
階段やキッチンには事故がおこる事もある ので柵を設置してください。
体験談|我が家に来た元繁殖犬・笑みちゃんの物語

私たちと暮らしている元繁殖犬「笑みちゃん」は、ブリーダーさんの里親募集を通じて迎えました。
というのも、笑みちゃんは日本ではなかなかお目にかかれない「ブリュッセル・グリフィン」という希少犬種だったからです。
実はそれまでに、何度か譲渡会に参加したり問い合わせたりもしていたのですが、なかなかご縁がありませんでした。
最終的にはブリーダーさんの里親募集からご縁をいただく形になりました。
迎え方は違っても、「繁殖引退犬」という点は同じです。
繁殖引退犬には、一般的な保護犬とはまた少し違った背景や生活習慣があるように感じています。
笑みちゃんも、最初のころはまったくお散歩に行きたがらず、吠えることもまったくありませんでした。
そんな笑みちゃんも、今では我が家に来て約1年半。元気に私にだけですが、吠えるようになりました(笑)
仕事から帰ると、吠えながら尻尾をブンブン振ってくれる姿に、毎日癒されています。
まとめ|焦らず、寄り添って、一緒に成長しよう

今回は、保健所や保護施設から繁殖引退犬を迎える方法を解説しました。
繁殖引退犬をどのような形で迎えるにしても、新しい環境に馴染むまでは、時間がかかります。
「焦らずに、寄り添って、一緒に生活していく」。これが1番のポイントです。
けして、繁殖引退犬に同情するのでは無く、第2の人生をお互い楽しく過ごせるように生活していきましょう。
小さな一歩かもしれませんが、その一歩が犬の「新しい人生」の始まりです。ぜひ、ご自身のペースで準備を進めてください。
📖 全7回シリーズ|繁殖引退犬の迎え方
繁殖引退犬を迎えるまでのステップを、順を追って解説しています。
▶ STEP0:幸せのカタチ▶ STEP1:繁殖引退犬とは?
▶ STEP2:迎える前の判断材料
▶ STEP3:迎える準備と費用
▶ STEP4:犬舎見学チェックリスト
▶ STEP5:心の距離ゆっくり縮まる
▶ STEP6:迎えた後のやるべきこと
🐾もっと知りたいあなたへ|「Whyシリーズ」
犬と暮らす中で、ふと感じる
「なんでだろう?」
そんな疑問を、繁殖引退犬・笑ちゃんとの日々を通してやさしく解き明かします。

あなたの愛犬の
「なんでだろう?」
教えてください。

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