
繁殖引退犬も家庭犬も、
基本コマンドは信頼関係が大切。
短い英語・日本語の合図で、安心して学べる工夫と段階的な教え方を紹介します。
この記事でわかること
家庭で安全・快適に暮らすための基本

繁殖引退犬にも、家庭で安全・快適に暮らすための基本的なしつけは必要です。
なぜなら、彼らはこれまで家庭での生活や人との関わり方を学ぶ機会がなかったからです。
ただし、一般的なしつけとは異なり、叱るのではなく信頼関係の構築が前提になります。
うちの笑ちゃんの場合は、食事前のお座りが少しずつ出来るようになりました。
家庭犬との違い
家庭犬は子犬のころから人と一緒に暮らし、自然とルールを覚えます。
でも繁殖引退犬は、人との生活そのものが初めてで、ゼロから学ぶ必要があります。
叱らないしつけが大切な理由
知らない世界に来た犬に「ダメ!」と叱っても、ただ怖がるだけ。
安心できる環境と優しい声かけがあってこそ、初めてルールも伝わります。
笑ちゃんの実例
うちの笑ちゃんも最初は何もできませんでした。
でも食事の前に少しずつ「おすわり」を覚え、今では落ち着いて待てるようになったんです。
コマンドを教えるベストなタイミング

環境に慣れてからが基本
新しい家に来たばかりの頃は、何もかもが初めてで不安いっぱい。
まずは安心できる環境を用意してあげましょう。
信頼関係が土台になる
「怖くない人だ」とわかってからでないと、犬は心を開きません。
仲良くなることが、しつけの第一歩です。
すぐに始めてもいい“軽い合図”
名前を呼んだら振り向く、食事前におすわりを待つこの程度なら早めに始めても大丈夫です。
むしろ生活のリズム作りに役立ちます。
焦らず、少しずつ
いきなり全部を教える必要はありません。
小さな成功体験を積み重ねるほうが、犬も「できた!」と楽しめます。
日常生活で自然に学ぶ繁殖引退犬のしつけ

散歩や遊びの中でコマンドを取り入れる
歩く、止まる、呼ぶなどのコマンドは散歩や遊びの中で自然に練習できます。
楽しい時間と結びつけると、犬もストレスなく覚えられます。
ごはんタイムをチャンスにする
「待て」「おすわり」を食事前に取り入れると、ルールを学ぶきっかけになります。
ごはん=嬉しい経験とセットにできるのがポイントです。
家の中での小さな練習
廊下やリビングなど安全な場所で、短時間だけコマンド練習。
遊びやスキンシップと組み合わせると、犬も飽きずに学べます。
飼い主が陥りやすい失敗パターンと修正法

叱りすぎ・焦りすぎ
怒ったり急かすと、犬は混乱して学ぶ意欲を失います。
成功体験を褒める方が信頼関係も育ちます。
タイミングや合図の不一致
コマンドと褒め方やおやつのタイミングがズレると、犬は理解しにくくなります。
一貫性を意識するだけで覚えやすくなります。
無理に長時間練習させる
長時間の練習は疲れて集中力が切れ、嫌がる原因に。
短く区切って少しずつ積み重ねるのが効果的です。
家庭で安心して暮らすために大切な理由

なぜ繁殖引退犬はしつけが必要なのか
家庭犬は子犬期から人と暮らす環境で育ち、自然と生活ルールを覚えていきます。
一方、繁殖引退犬は人との生活経験が乏しく、しつけのスタート地点がまったく異なります。
注意点 | 叱らず信頼関係を優先する理由
そのため、まずは指示を教える前に「安心できる環境づくり」と「心のケア」が不可欠です。
信頼関係を築いてからでないと、しつけはうまく伝わりません。
小さな成功体験を積む
毎日に食事の前にコマンド練習を数秒してできたら”ご褒美”をあげ練習しました。
最近では、躾のかいもあり食事前は
”おすわり”をするようになりました。
日本語・英語どちらでもOK

一貫した声と合図
日本語でも英語でも、一貫して同じ言葉を使うことが最も重要です。
犬は言語の意味よりも「音のパターン」で覚えます。
言葉そのものよりタイミングとトーンが大切です。
日本語でも英語でもOK | 家庭内で統一するメリット
家庭内で統一すれば、言語はどちらでも問題ありません。
たとえば「おすわり」「シット」どちらでもOKです。
しかし途中で変えないようにしましょう。

お子さんが居る家庭でしたら英語の勉強にもなるのでおすすめです。
基本コマンド一覧
ここでは、よく使われる基本コマンドを日本語と英語で比較して紹介します。
繁殖引退犬向け|基本コマンド学習ステップ順
| 学習ステップ | 日本語 | 英語 | 読み仮名 | 説明 |
| 1 | おすわり | Sit | シット | 座る動作。最も基本で、集中力や指示理解の基礎。 |
| 2 | まて | Stay | ステイ | その場で待つ。安全確保や落ち着く練習に最適。 |
| 3 | おいで | Come | カム | 呼び戻し。信頼関係の構築にも直結する重要コマンド。 |
| 4 | よし | OK / Release | オーケー / リリース | 待機状態解除。指示行動の報酬タイミングとして使用。 |
| 5 | ふせ | Down | ダウン | 伏せ。落ち着きや長時間の待機練習に便利。 |
| 6 | だめ | No / Stop | ノー / ストップ | 禁止行動の抑制。トーンやタイミングで教える。 |
| 7 | ついて | Heel | ヒール | 横について歩く。散歩や公共の場での基本行動。 |
| 8 | ハウス | Go to bed / Kennel | ゴー トゥ ベッド / ケンネル | 自分の場所に戻る。落ち着く・就寝時に使用。 |
| 9 | まわれ | Spin / Turn | スピン / ターン | その場で回る。遊びや軽い運動として学ぶ。 |
短時間で学ばせる工夫
犬は集中力が長く続きません。
1回数分の練習を重ねるほうが、楽しく学べて身につきやすいです。
褒め方とご褒美の使い分け
行動の直後にほめて、ご褒美をあげるのがコツ。
おやつだけでなく、声やなでることも立派なご褒美になります。
失敗させない練習の流れ
できることから始めて、少しずつ段階を上げましょう。
成功体験を積み重ねるほど「またやりたい!」という気持ちが育ちます。
少しずつ習得

短時間・短単語で無理なく学ばせる
短くわかりやすい言葉を使う(例:「おすわり」「まて」など)
正しい行動ができたらすぐに褒め、ご褒美を与える
1回数分、無理なく短時間のトレーニングを継続する
タイミングと一貫性
タイミング:行動の直後に褒める・あげることで関連づけができる
一貫性:同じ言葉・同じトーンで伝える
無理強いはしない:焦らず、信頼関係を優先
愛犬が喜ぶ言葉を知っておくことこそ 信頼関係の第一歩▶ 犬が喜ぶ言葉&音まとめ|声かけひとつで信頼が変わる!おやつ・声かけ・スキンシップの活用
食べ物が効果的(小さくて食べやすいもの)
褒め言葉やなでることもご褒美になる
慣れてきたらご褒美の回数を徐々に減らすことで定着を図る
コマンド学習は
「愛犬とのコミュニケーションの時間」として楽しむことが、何よりの成功の秘訣です。
自分から協力できるようになるしつけ

ハズバンダリートレーニングとは?
ハズバンダリートレーニングとは、
動物が自分の意思でケアに協力できるようにするトレーニング方法です。
無理やり押さえつけるのではなく、
「触られることに慣れる」「選ばせる」ことでストレスを減らし、信頼関係を深めるのが目的です。
笑ちゃんの歯磨き練習 | 段階的なアプローチ
- STEP1指で歯に触れる練習
- 犬が落ち着いているときに開始
- 清潔な指で歯や歯ぐきに一瞬だけタッチ
- 成功したらすぐに褒めてご褒美
- STEP2歯ブラシを見せる
- 犬が歯ブラシを見たり、匂いを嗅いだら即褒め+ご褒美
- 無理に近づけず、犬が自発的に接触するのを待つ
- STEP3歯ブラシを口元に近づける
- 許容できる距離まで近づけて、犬が落ち着いていれば褒めてご褒美
- 嫌がる前にストップし、その時点で報酬
- STEP4軽く歯に触れる
- 歯ブラシで歯に軽く「ちょん」と触れたら褒めてご褒美
- 慣れてきたら触れる時間を徐々に延長
いまでは歯ブラシを手に取ると、笑ちゃんのほうから「今日は歯みがき?」と近づいてくるほどです。
愛犬が自ら参加しに来るトレーニング があるの知ってます? 成犬からでもできる!犬のハズバンダリートレーニング完全ガイド歯みがき用おやつ3選
- いつものドライフード(1粒ずつ)
- 無添加フリーズドライチーズ(ブロッコリー・カボチャなどもオススメ)
- 低脂肪ささみジャーキー(脂肪分3%以下)
信頼関係が大事

安心関係を作る
犬にしつけを伝えるには、
まず「安心できる関係性」が必要です。
信頼がなければ、言葉も行動も届きません。
距離感と成功の積み重ね
信頼関係を築くポイント
とくに繁殖引退犬は、人との暮らしが初めて。
まずは「そばにいると安心」と思ってもらうことが、しつけの第一歩です。
まとめ:心で通じるしつけ

引退犬しつけ3ポイント
ポイントは3つだけ、覚えておいてください。
- 言葉は日本語でも英語でもOK。ただし、統一することが大事。
- しつけは一度で終わらない。毎日の積み重ねがカギ。
- 特に繁殖引退犬には“信頼関係”が最優先。焦らず、ゆっくりと。
最初はうまくいかなくて当たり前です。
でも、大切なのは「伝える」ことより、「伝わる」こと。
あなたのやさしさは、きっと愛犬に届いています。
しつけは命令ではなく、
“心を通わせるコミュニケーション”。
焦らず、比べず、寄り添いながら、今日も一歩ずつ進んでいきましょう。
📖 全7回シリーズ|繁殖引退犬の迎え方
繁殖引退犬を迎えるまでのステップを、順を追って解説しています。
▶ STEP0:幸せのカタチ▶ STEP1:繁殖引退犬とは?
▶ STEP2:迎える前の判断材料
▶ STEP3:迎える準備と費用
▶ STEP4:犬舎見学チェックリスト
▶ STEP5:心の距離ゆっくり縮まる
▶ STEP6:迎えた後のやるべきこと
🐾もっと知りたいあなたへ|「Whyシリーズ」
犬と暮らす中で、ふと感じる
「なんでだろう?」
そんな疑問を、繁殖引退犬・笑ちゃんとの日々を通してやさしく解き明かします。

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